NIRS (Near-InfraRed Spectroscopy、近赤外線スペクトロスコピー)は光トポグラフィーとも言われ、近赤外光を用いて頭部のヘモグロビン濃度変化量を計測する装置です。光トポグラフィ装置は日立製作所のETG4000を利用しています(図1)。
NIRSは(1)微弱な光の照射であり安全性が高い、(2)無侵襲、低拘束性、(3)装置が小型で移動は自由、(4)検査場所の制約は無い、といった特長があり、大脳皮質の表面、深さ2~3㎝のヘモグロビン濃度変化量を測定します。
NIRS検査では言語流暢性課題(VFT:verbal fluency task)を行います。指定された頭文字から始まる言葉をできるだけ多く言ってもらう課題で、検査時間は約3分間と短時間で終了します(図2)。

主な研究内容

1)精神疾患の鑑別診断補助

 2014年より光トポグラフィーは「抑うつ症状の鑑別診断の補助に使用するもの」として保険適用となりました。治療抵抗性でうつ病と統合失調症または双極性障害との鑑別が必要な場合が対象となります。入院・外来の患者さんに対して検査を実施しています。

2)身体疾患の脳機能評価

 福島県立医科大学消化器内科、循環器内科と共同研究を行っています。NIRSを用いて身体疾患の脳機能評価を行っています(図3) (図4)。

学生、研修医の皆さまへ

NIRSは簡便で患者さんの負担が少ない検査で、他チームと連携し臨床研究をすすめています。興味のある方は是非見学にいらしてください。