ホーム > 研究 > 子どもと親の行動医学研究チーム

 児童思春期は,発達とこころの状態が目まぐるしく変化する時期に当たり,様々なストレスを受けやすい時期であると言えます.精神疾患の50%は14歳までに発症すると考えられており,子どもたちの15%以上が何らかの精神疾患を持っていると考えられています.このように児童思春期のメンタルヘルスのニードは膨大なものがあり,家庭・学校・地域で有効な支援・介入を効率的に行う必要があります.また,精神疾患や発達障害を有する子どもの親御さんもメンタルヘルスの問題を有する場合が多いと考えられており,子どもと親のメンタルヘルスの双方に支援・介入のニードが高いと言えます.

 このチームでは,子どもの不安・抑うつ・行動の問題・トラウマ性障害などへの有効性が示されている認知行動療法・行動療法を含むさまざまな行動医学的な支援・介入技法について実際のフィールドで実装するための研究や,我が国の臨床現場の実情に合った新たなプログラムを考案し,効果判定を行っていくことを目指します.その中で,子ども自身への支援・介入だけでなく,親御さんたちを地域で支えていくための汎用性の高いプログラムを検討していくことも視野に入れています.

 また,福島県内で活動されている臨床現場の先生方とのネットワークを構築し,子どもと親の行動医学的支援・介入に関連した勉強会,ケース検討会なども企画し,福島県全体としてこの分野の臨床をさらにレベルアップしていくことを目指しています.

 さらに,医療機関につながっていない子どもたちや親御さんを始め地域の皆様への啓蒙活動も役割の一つと認識しています.医療に繋がっていなくても子どもと親が安全な関係性を育て,自分自身のセルフケア・スキルを高められるような情報を様々なメディアを通して発信してまいります

 

*参考図書:
 1)「ストレングス・トーク 行動の問題を持つ子どもを支え・育てる」(井上祐紀 著:日本評論社発行,2020年)
 2)「10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法」(井上祐紀 著:KADOKAWA発行,2020年).
 3)「学校では教えてくれない 自分を休ませる方法」(井上祐紀 著:KADOKAWA発行,2021年)
   

 


 

福島県立医科大学医学部 神経精神医学講座
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